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コロナを憎んで人を憎まず。心が感染すると差別や偏見につながる [閑話休題]


新型コロナの感染者や医療従事者への偏見や差別が問題になっている。


東京都は先週、緊急に“コロナ条例”を制定し、「感染者やその関係者に対する不当な差別を禁止する」旨を規定した。

こんな当然のことを条例で規定しなければならないほど、深刻な事態となっている。


2014年にエボラ出血熱が流行したアフリカでは、正しい知識が住民に伝わらず、医療従事者に石を投げるなどして医療サービスが継続できなくなった。

日本で今、同じことが起きているのではないだろうか。


新型コロナの感染拡大で、多くの人が命を失った。日常生活も奪われ、社会は一変した。このウィルスは憎き“敵”である。しかも、特効薬やワクチンがない。人々は不安や恐怖に陥り、ウィルスを遠ざけたいと思うのは当然であろう。

しかし、ウィルスは目に見えないため、ウィルスと人との間に境界を設けることができない。そこで、感染者やコロナ対応に従事した医師や看護師などと距離を置こうとする。そのような人々をまるで“敵”のように遠ざけてしまう結果、偏見や差別が生じてしまう。


敵はウィルスであって、人ではない

頭では分かっていても、毎日のように新型コロナに関する悪いニュースを浴びると、不安や恐怖が先行して冷静な対応ができなくなってしまう。

体は感染していなくても、心が感染してしまうのだ


感染者への偏見や差別が広がれば、差別を恐れて症状を隠す人が増える。そうなれば、さらなる感染拡大につながるかもしれない。

また、医療従事者はウィスルと最前線で闘う“兵士”であるのに、偏見や差別があれば士気が低下するだろう。


体はもちろん、心も感染しないよう、定期的に心の状態を客観的に見つめ直すことが大切だ。


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