日本型“ゆるい都市封鎖”は長期戦に優れている。重要なのは一人ひとりの意識だ [閑話休題]
緊急事態宣言がまもなく発出される。
しかし、他国と異なり、宣言が出されてもほとんど「命令」できない。
外出や営業の自粛を「要請」する程度である。
だから、経済活動もストップするわけではない。
いわゆる「3密」を避けられるならば工場や店舗、事務所などを営業することは許されよう。交通機関もおおむね平常運転だ。
他国と比べると“ゆるい都市封鎖(ロックダウン)”となる。
実は、日本と同じく“ゆるい”国がある。
スウェーデンだ。
スウェーデンの人口は約1000万人で日本の人口の約12分の1であるが、感染者数は5000人を超え、死者も300人以上と日本よりかなり多い。
それでも、欧米の他国のような厳しい都市封鎖は行っていない。
近隣国から「スウェーデンで感染爆発が起きるのではないか」と不安に思われている。
日本も欧米メディアから「感染防止策が不十分だ」と批判めいたことを言われている。
この“ゆるさ”が吉と出るか、凶と出るか?
日本では政府が強権発動できないため、国民の自覚と責任感にかかっている。緊急事態宣言が出されて重要なのは、政府の対策ではなく、国民一人ひとりの意識だ。
今回の新型コロナ対策は長期戦となる。
それを考えると、日本型の“ゆるい都市封鎖”は他国の厳しい都市封鎖より優れているだろう。
ダイエットに例えるとわかりやすい。
厳しいダイエットをすれば短期間で痩せられるが、その後のリバウンドも大きい。これに対し、緩やかなダイエットは痩せるのに時間がかかるが、リバウンドは小さい。
コロナを終息させるのに何度も厳しい都市封鎖をすれば経済が崩壊し、国民も疲弊する。緩やかな都市封鎖で経済活動をある程度維持しつつ長期に対策を講ずれば、ダメージを小さくして上手く終息に向かえるのではなかろうか。
いずれにしても、日本型が成功するかどうかは、国民一人ひとりの意識にかかっている。
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